【HPVワクチン非接種】子宮頸部異形成になってレーザー蒸散術を受けた話

健康

女性の皆さん、子宮頸がん検査してますか?

子宮頸がんは、早期発見しやすいがんであること、そして実はほぼ予防できる病気であることを知っていますか?

子宮頸がんの二歩手前である子宮頸部異形成になった私が、自分の体験を交えて女性の病気である子宮頸がんとHPVワクチンについてお話したいと思います。

私には夢があります。絶対に病気になりたくない、死ぬ前日まで元気ぴんぴんで生きるのが目標。健康と予防医療に人一倍気を遣い始めたのも、子宮頸部異形成になってがんが人ごとではなくなったから、というのもあります。

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子宮頸がんとは

文字通り子宮頸部にできるがんです。

子宮は、赤ちゃんを育てる子宮体部とその下の筒状の子宮頸部に分けられます。子宮頸部の下は膣に繋がっています。

子宮頸がんは子宮への入り口付近に発生することが多く、婦人科の検診で目視での観察や細胞を取る検査ができるため、早期で発見されやすいがんです。

早期で発見できれば比較的治療がしやすい病気ですが、進行してしまって転移が認められると治療が難しく予後が悪いため、検診で早期発見することが非常に重要です。

日本では年間1万人の女性が子宮頸がんにかかり、年間3千人が亡くなっています。

HPV(ヒトパピローマウイルス)

子宮頸がんの発生の多くのケースでは、HPVというウイルスが関連していることがわかっています。

HPVは性交渉を行ったことのある男女の約80%が一生に一度は感染する、ごくありふれたウイルスでコンドームでは感染が防げないと言われています。

HPVには200以上の種類が存在すると言われており、イボや尖圭コンジローマになる型もあれば、子宮頸がんを引き起こすハイリスク16・18型が存在します。その他31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68型もハイリスク型に分類されています。

また子宮頸部だけではなく、頻度は低いものの咽頭・肛門・陰茎にも感染しがんの原因になるウイルスであり、男性には無関係というものではありません。

異形成を経て子宮頸がんへ

子宮頸がんは正常な状態からすぐにがん化するのではなく、異形成というがんになる前の状態(前がん病変)を何年も経てからがんになります。

異形成の状態では自覚症状は何も出ません。だからこそ、定期検診が重要です。

がんになるまでは、軽度異形成→中等度異形成→高度異形成→上皮内癌という状態を経ます。HPVに感染した全員が異形成になるということではなく、感染した人の一部が軽度異形成の状態になります。その多くは自己免疫機能により体外へ排出されますが、一部の人が中等度異形成に進行します。またその一部が高度異形成へ、そして上皮内癌を経て何年もかけてがん化していきます。

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私に異形成が見つかった経緯

健康診断

2019年の11月末に会社の健康診断を受けました。健康診断大好き!

健康診断の範囲内で子宮頸がんを受診。さらにホリエモン著書「健康の結論」を読んでHPVが原因となることを知っていたので、オプションでHPV検診を受けました。

数週間後返ってきた健康診断の結果、子宮頸がんは異常なし。しかしHPVは陽性で要精密検査とのことでした。

精密検査

子宮頸がんが異常なしなので大丈夫だろうとは思いつつ、一応いつもピルをもらっている近所の産婦人科に診断結果を持って精密検査に行きました。お医者さんは「HPVに感染していてもすぐに問題が生じるという訳ではないけど、せっかく来てもらったから一応診察しておきましょうか。」と言われ、安心しつつ検査台へ。(あれ、何回やっても嫌だよね)

コルポスコピー診と呼ばれる、コルポスコープという拡大鏡を用いて子宮を観察されました。その際に異常を見えやすくするため、酢酸を塗られます(あそこが酸っぱい感じ、という人生初の感覚を味わう)。

そこでお医者さんに「あれ?病変がありますね・・。ちょっと組織取りますね〜。」と言われました。

はて、一体全体病変とは??組織を取るとは???と日本語が理解できない私。って付くってことは、もう病気なのか、子宮がんの可能性があるのか??とパニック状態に陥る。そして組織を取るって、ハサミで切るの?痛そう怖いひえええーーーーー状態になるものの、いい大人なので指に爪を立てて恐怖をごまかしつつ、平気な顔をしてみる←

組織診とは、異常が見られる箇所の一部をパチパチと切って検査に出すというもの。特に痛みはないですが、子宮が押されているような感覚はありました。そして何より恐怖で貧血状態に陥り、冷や汗と気持ち悪さで診断後少しベッドで休ませてもらって、やっと歩ける状態でした。

フラフラになりながらも、お医者さんから異常が見られる病変があること、異形成と呼ばれるがんの二歩前くらいの状態の可能性があることと説明を受けました。

組織を取っているので、2〜3日は軽い出血がありました。

結果が出るまでの一週間

結果待ちの状態が一番辛い気がします。子宮頸がんの知識がほとんどなかったので、ネットで朝から晩まで調べまくりました。そして軽度〜高度異形成という状態を経てがんになること、がん化してしまうと子宮を摘出する必要があること、転移していると予後が悪いことを知りました。

私には結婚願望も子供を持つ願望もあまりないというか、一人でできるものではないのでしっかり考えたことがありませんが、子宮摘出=子供が産めなくなるという、選択肢がなくなるのは嫌でした。そして病気で苦しんで死ぬのももちろん嫌、親より早く死ぬのも嫌。

がんって、本当にがーんって思うんだなぁ。。。とくだらないことを考えつつ、とっても不安な一週間を過ごしました。

1回目の診断結果

診断結果は中等度異形成、経過観察ということでした。

がんではなかったことの胸をなでおろしつつ、軽度ではなかったことにショックを受けました。そして三ヶ月後にまた診断、ということになりました。

次の診断までに免疫力を高くして、排除するぞ!!と意気込み、運動の頻度を増やしたり、毎日納豆や甘酒などの発酵食品を積極的に摂取したり、お腹に手を当てておまじない(あやしい)したり、いつも以上に健康に気を遣った生活を送るように心がけていました。

定期検診(2回目)

三ヶ月後、経過観察でいつもの産婦人科に行きました。

前回と同じくコルポスコピー診。回復していることを祈っていましたが、お医者さんから「うーん、ちょっと範囲が広がっています。高度異形成に進行しているかもしれません。」と言われてしまいました。がーん。。。

今回も組織診で、私の大事な組織を切り取られ、また貧血でベッドに直行しつつ(もはやルーティーン)一週間後の診断結果を待つこととなりました。

2回目の診断結果

結果は前回と同じく中等度異形成との診断でした。

しかし範囲の拡大が認められるので、念のため手術のできる大きな病院で見てもらった方がいいかもしれないとのことで、紹介状をもらいました。

すぐに行かなくても大丈夫、数ヶ月後でもいいよとのことでしたが、不安で仕方がないのですぐ当日に紹介してもらった大きな病院に電話、予約を取り付けました。

大きな病院での初めての検査

また組織取られるのか〜嫌だな〜組織なくなっちゃう〜(なくならない)と思いつつ病院へ。

今回はコルポスコピー診断と組織診に加え、HPV型の検査も受けることになりました。今回は女性のお医者さんで、子宮頸がんまで進行する過程を丁寧に説明してくれました。徹底的に調べ倒し済な私は、心の中では「知ってるがな〜」と思いつつ聞いていました。

一点、健康診断の子宮頸がん検診では陰性だったことを伝え、なぜ見逃されたのかについて聞いてみたところ、おりものの量が多かったりうまく細胞が取れなかったりで異形成が発見できないことも多々あるとのこと。HPVオプションでつけておいてよかった。。。

そして診察台に上がり、またあそこが酸っぱくなりつつ検診を受けました。お医者さんに「見た感じ、高度異形成に進んでいるかもしれませんね〜。」とまた言われてしまいました。HPV型検査は細胞診のようで、一通り特に痛みはなく診察は終了。

おったまげたのはお会計。13,000円ほどかかりました。病気になるって、健康面だけではなく金銭面でも辛いことを実感。

診断結果

今回は中等度以上異形成、高度異形成を否定できないとの診断。およびHPVハイリスクの16型陽性との診断を受けました。がーーん。。。

高度異形成を否定できないとは、検査に回された細胞の上皮再表層に欠落した部分が多く判断が難しかったのが理由とのことでした。

そして子宮頸がんの原因となるハイリスクのHPV16型が陽性だったので、手術した方がいいだろうとの結論に至りました。幸いその病院はレーザー蒸散術という、異形成治療ではもっとも軽い日帰り手術に対応しており、私の状態ではその手術をしましょうということでした。

レーザー蒸散術より一歩進むと、円錐切除術とよばれる患部を一部円錐型に切除する手術が必要で、2泊3日の入院が必要、流産や早産のリスクが高まる手術になります。日帰りで済む手術で良かったと思おう。

この診察でお世話になった女性のお医者さんとは別で、手術の担当医がいるとのことで次回はそのお医者さんから説明を受けることとなりました。このとき2020年4月でコロナの真っ只中、別の病院で院内クラスターも発生していたころ。命に関わる状態ではないので今すぐに予約を取らなくてもOK、でも三ヶ月以内には必ず手術を受けてくださいとのことでしたが、また進行してしまうのが怖いので一番早い日程で予約を取りました。

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手術の説明日

今回は男性のお医者さんでした。レーザー蒸散術の細かい説明を受け、手術実施日を決めました。

病院によってはレーザー蒸散術でも全身麻酔で数日入院するところもあるようですが、私のところでは局所麻酔日帰り手術でした。一度全身麻酔を体験してみたいと憧れている←ので、ちょっと残念に思う。

内容は病変をレーザーで焼灼し、焼き飛ばすことで患部を治療するとのこと。この手術で90%以上の患者さんは治るとのことでした。また所要時間は15分前後、鎮痛剤、局所麻酔、抗生物質を使用すること、術後かさぶたが剥がれて大出血をきたす可能性があること、術後一ヶ月は入浴、性交渉、激しい運動(自転車含む)は控えることと説明を受けました。

合併症や偶発症が生ずる可能性があること、それによって障害が発生したり死亡することもあり得るとの注意書きもあり、多少びびる。手術説明書と当日サインして提出する同意書、また当日服用する薬をもらってこの日は終了。

手術当日

私はこれまで大きな病気も怪我もしたことがなく、人生で初めての手術だったので軽い手術とは分かっていつつも不安でした。というか痛いのが嫌で、手術までの一ヶ月は「嫌だな〜早く片付けたいな〜」という気持ちでいっぱいでした。

当日の準備

手術は午前だったので、朝ごはんは抜いてくださいと言われていました。朝はもらった抗生物質だけ飲んで病院に向かいました。

病院に到着し、荷物を預けてまずは手術着に着替えます。コンタクトも取る必要があり、メガネに変えたらマスクのせいでレンズが曇ってしばらく試行錯誤。笑 また、手術の15分ほど前に鎮痛剤の座薬を入れる必要があり、看護師さんにタイミングを言われてトイレへ移動。子供の時お母さんに入れられたぶり、自分では初めての座薬を使ってみる。意外とすんなり入ったものの、あの部分は出る専門なので座薬が外に出てしまう感覚があり、しばらく肛門を締める意識で手術を待つ。もう、笑える😂

手術室へ

待ってる間テレビでスッキリが流れていて、大好きなJason Mrazが生歌を披露していて少しはリラックスできていました。そこで看護師さんに呼ばれ、手術室へ移動。

看護師さんもリラックスできるように「緊張してますか〜?そうだよねー。でも80%の人はこんなもんか〜って言うから、あんまり心配しないようにね!」と優しい言葉を掛けてくれました。

到着した手術室はよくテレビで見るような、あの無機質な銀色のリアル手術室。簡単な手術なのでいつもの診察台でやるのかな、と若干なめていた私、ちょっと動揺。と同時に本物だ〜!!とちょっと興奮。

手術室には担当医と看護師さんの二名。よろしくお願いします〜と挨拶してシングルベッドよりも狭い手術台に上がり、脈や心音を測るであろう機械を色々と付けられる。もっと観察したかったけど、メガネを外さなければいけないので何も見えず残念。。。逆に見えない方が不安にならずに良かったかもしれないけど、じっくり観察したかったから残念。

身動きが取れない状態になり、看護師さんにパンツを脱がされる(恥)。両足を台のようなものに上げられ、いざ手術。

手術

横ではレーザーの機械がコポコポと音を立てていました。カーテンで仕切られているので見ることはできませんでしたが、おそらく注射か何かで局所麻酔を施し(感覚なし)、レーザー器具を入れて患部を焼灼されました。

最初は良かったのですが、徐々に痛みが増して最終的には

いいいいたあああああいいいいいいいいい、たすけてえええええええ

と、ギブアップしようかと思うまで痛かった。痛みとしては重い生理痛のような感じ。鈍痛で「ううう」と腰をかがめて丸くなりたくなるような痛みなのですが、手術台の上で動けないので痛みを逃すこともできず辛い。。。一度の照射時間は10〜30秒程度だと思いますが、照射時間が長いほど痛みが強くなるというか痛みが我慢できなくなる感じでした。

「先生、ごめん一旦休憩!痛いから一回休ませてええええ!!」と喉元まで出かかったところで先生が「はい、終わりますね〜。」と手術終了。実質手術時間は10分くらいだったと思います。

手術が終わって

あの痛みが終わって、不安だった手術が終わって一安心。想定外の痛みで呆然としつつも、無事終わった嬉しさでスキップしたいくらいの気持ちでした。

歩いて待合室に戻り、着替えてさくっと終了。怯えていたお会計は1万円ちょっとで、検査の方が手術より高い不思議。

病院へは徒歩で行きましたが、お腹が痛いしあんまり動くのも不安なのでタクシーで帰宅。

帰宅後から術後数週間まで

帰宅後、ご褒美に買っておいた大好きなフルーツを食べ、お母さんに電話で終わった報告をしました。一安心していたところ、やっぱり生理痛のような痛みがあるのでベッドで横になり、2〜3時間痛みでのたうち回る。痛かったらロキソニンのような鎮痛剤を飲むように言われていましたが、極力薬を飲みたくないので我慢して痛みに耐えました。

その後2〜3日は軽い生理痛のようなものが続きましたが、まぁ慣れた痛みなので余裕。緊急事態宣言中で外にも出れずジムも閉鎖している中、宅トレもできなかったのが地味に辛かったです。

術後2〜3週間はピンクっぽい軽い出血が続きました。

術後一ヶ月検診

一ヶ月が経ち、経過観察へ病院に行きました。

診察台に上がり内診してもらったところ、経過良好、レーザーを照射した箇所は綺麗にかさぶたになって順調に回復してますね、とのことで一安心。

今後も定期的に診察が必要で、次は8月に行きます。

今思うこと、そしてHPVワクチン

異形成の状態で発見・治療ができてラッキーだったなと思っています。。やはり、早期発見ができるように定期的に健康診断に行くことは本当に大事なことだと思います。

その一方で、HPVワクチンを受けておけば良かったなとも思っています。初めて性交渉する前の若い年齢での接種を推奨されていますが、その当時はワクチンの副反応が取りざたされていて、私はワクチンを受けていない世代でした。

HPVワクチン

HPVワクチンは発症リスクを約70%下げられるというベネフィットがあります。にも関わらず、先進国の中で日本だけHPVワクチン接種率がずば抜けて低いのが事実。接種の推奨すらされておらず、公費助成もないので自費で接種をする必要があります。

2007年からHVPワクチンプログラムが開始したオーストラリアでは、ワクチンを接種したグループはHPV4種類の感染率が93%も減少しています。さらに、非ワクチン接種グループにおいても感染率が35%減少しています。これは集団免疫効果といわれるもので、ワクチン接種のおかげで免疫が作られHPV感染者数が単純に減るのと、集団の中に感染者がいたとしても免疫のおかげで感染の拡大を食い止められるというものです。

ほとんどの先進国では国がHPVワクチンの接種を義務化しているのに、日本だけがやっていない。それは壮大なモルモット実験をしているようなものだとの皮肉られています。日本は国としてワクチン接種を推奨しないことで、どれだけ子宮頸がんの羅漢率が上がるのか臨床実験をしているようなものだということです。

副反応については様々な報告があるものの、「名古屋スタディ」という論文では、HPVワクチン接種とこれまで報告されている24症状との間に関連性がないと発表されました。これに加えほとんどの国では接種が推奨されている事実を客観的に見て、自分自身で判断する必要があると思います。

注意としては、HPVワクチンでは全てのHPV型が予防できるわけではないため、子宮頸がんの検診はしっかり受けておく必要があります。また、HPVに一度感染してしまうと残念ながら完全に排除する治療法がありません。知らないうちにHPVに感染し、気づかない間にがんにまで進行してしまうということが大いに有りうるので、もしも婦人科検診を長い間していないという人は、一度受診してみてほしいです。

受診していても私のように子宮頸がん検診だけでは見逃されることもあるので、あわせてHPV検査もしてみるのもおすすめです。検査をしていなかったら一年間放置していたことになり、レーザー蒸散術では済まなかったかもしれません。実際私はHPV検査から半年経たずに手術することになっています。

私はHPV18型は陰性なので、今後感染するリスクを下げるためにもHPVワクチンを接種しようと思っています。

長くなりましたが、もしたまたまこのブログを読んだ方が婦人科検診に行くきっかけになったり、HPV検査を受けるきっかけになったり、HPVワクチンを接種するひっかけになり、ひいては子宮頸がんの予防と早期発見に繋がればこれ以上嬉しいことはありません。正しい知識をつけて、自分の身は自分で守りましょう!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊

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